チップソーの台金表面処理
2017-02-27
いつもご覧頂きありがとうございます!早速、130回目のブログです!
このブログでは、刃物メーカーさんの個別の商品を紹介することはないのですが、先日、研磨品をお預かりしているとある金物屋さんから、
「マキタの新しく出た白い塗装のチップソーって研磨できるの?」と聞かれました。
その金物屋さん曰く、「結構良いという話なんだけど、売ったとしても、研磨できなかったらまずいので・・・」とのこと。
パンフレットを見て、「研磨そのものは問題ないのですが、表面の『特殊塗装』というのが心配です。」
とその場でご返事させて頂きました。
どのようなものか、そして、実際に研磨できるかどうかが心配だったので、別のルートから現物を購入し、
実際に塗装(印刷)がどのような状況かを確認しました。これです。「鮫肌」というそうです。
大府精巧で使用している洗浄液に付け込んでみたり、シンナー系の溶液で表面を拭いてみたり・・・・
結果としては、
「表面の特殊塗装に関しては、洗浄液の影響は受けにくく、スクレイパーなどで無理やり表面をこすらない限り、塗装は剥げなさそう」という感じでした。
研磨そのものも、問題なくできます。ただし、台金の背の部分の形状はフリーハンドになりますので、「似たような形状」になります。
(私自身が実際に使用していないので、そのものが本当によく切れる、もしくは刃持ちが良いかどうかはわかりません。ご了承ください。)
さて、チップソーの台金部分の表面処理で有名なものといえば、この業界では兼房さんの「タフブラック(TB)」といわれるものです。
また、同様な考えで木村刃物製造さんの「デフリックコーティング」仕様といわれるものがあります。
また、表面を、とにかく鏡面加工にして抵抗を減らそうというタイプのものがあり、これも木村刃物製造さんの「ミラーボディーチップソー」というものがあります。
その他によく見るものは、表面を「フッ素コーティング」してあるものですね。
(他の刃物メーカーさんでも同様なものがあるかもしれません・・・ごめんなさい)
兼房 ホームページ http://www.kanefusa.co.jp/
木村刃物製造 ホームページ http://www.kimura-knife.co.jp/woodcraftknife.htm
チップソーで、材料を切削していくのは「刃先」です。そして、台金と刃先の高低差(あさり)があるために、
単純に考えると台金は材料には当たらないのですが(以前紹介したこちらの略図になります)、
切削した後の材料の「もどり」や、チップソーの振動などで材料とチップソーの本体はどうしても接触してしまう、
また、ヤニなどの汚れが付くことでさらに切削の効率が悪くなってしまうために、
台金部分を表面加工することは有効な方法ですし、製材業者の皆様では表面加工したチップソーを使うことはごく普通になっています。
しかし、今回のマキタさんの「塗装」による対応は、正直驚きました。
よくある「台金を塗装したチップソー」は、塗装が簡単に剥げてしまったり、汚れが逆にこびりつき易かったりするからです。
はたして、これが本当にいいかどうか・・・・使い込んだお客様がまだいらっしゃらないので、
もし大府精巧に研磨のご依頼があった時には状況を確認させて頂きたいと思っています。
では、
即断! 即決! 即実行!
「やるなら 『今』 しかねえ!
超硬ジョインターナイフの「種類」について
2017-02-09
いつもご覧頂きありがとうございます!早速、129回目のブログです!
ホームページでもご紹介していますが、大府精巧の主力商品は「超硬ジョインターナイフ」、特に「付け刃タイプ」と呼ばれるものです。
このジョインターナイフ、長さ以外の規格が統一されていればお客様が寸法に迷わずにご購入いただけるのですが、それが機械メーカーによって、多種多様な寸法となっているので、これが結構大変です。
過去の事例として、「注文の際に厚みを伝えたのだが、実際に機械に装着すると、厚くて入らない」、もしくは「薄くてブロックが閉まらない」など・・・
大府精巧で現状把握している、ジョインターナイフを装着する機械(プレナーもしくはプレーナー・手押カンナ盤・自動カンナ盤などなど・・・)の形式を一部列挙すると・・・
・飯田(イイダ)式
・桑原(クワハラ)式
・下平(シモヒラ)式
・鈴三(スズサン)式
・・・
これはほんのごく一部です。
このほかに
・プリセットタイプ
などもあり、本当に多種多様な加工機があるため、それぞれでジョインターナイフの形状も違ってきます。
ちなみに、写真の一番上のものは「プリセット式」、一番下のジョインターナイフは「クワハラ式」で、この切り欠きの位置なども機械の種類(ジョインターナイフの長さ)によって変わってきます。(真ん中のものは、横方向に長孔加工をしているのですが、使用状況はわかりません・・・)
(これが、ジョインターナイフだけでなく、「カンナ盤」になると、取り付け穴の位置や大きさも機械で違っていて、把握しきれないぐらいの種類になります)
※ちなみに、「クワハラ式」に関しては、当方が規格を把握している寸法のものに関して追加工代は無料で対応させて頂いています。
お客様からお問合せ頂くときに、「刃物の寸法が正確にはわからない」というお話を頂くときがあります。
その際には、「機械のメーカーと機種を教えてください」とお願いすることがあります。
大府精巧では、これまでお客様から頂いた情報を蓄積して、「この機械メーカーの、この機種はこの寸法」というものが手元に整理されています。
そのため、使用されている機械の情報を頂ければ、刃物の寸法がわかる時があります。
(たとえば、スズサンの手押カンナ盤の「MS-12P」という機械であれば、310㎜×32×5.0tで、枚数は3枚1セットなど・・・)
逆に、お客様から、「機械メーカーと機種」、そして「ご注文頂くジョインターナイフの寸法」を一緒にお知らせいただければ、それがこちらが把握している刃物の寸法とあっているかどうかを確認することもできます。時々、お客様から刃物寸法でご注文いただくときに、「この寸法だとこの形式のものが多いから念のため確認しておいたほうがいい」ということで、確認の電話をさせて頂くこともあります。
このように、大府精巧では、ジョインターナイフ・鉋(カンナ)刃については多種多様な機械のものを製作してきた実績がございます。1品から、短納期で対応も可能でございます。ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください!
では、
即断! 即決! 即実行!
「やるなら 『今』 しかねえ!
「ゴム」の刃物も得意な大府精巧です!
2017-02-02
いつもご覧頂きありがとうございます!早速、128回目のブログです!
大府精巧は、前身は「大府鋸研磨工業所」という名前でスタートし、木工用刃物の再研磨を行っておりました。
しかしながら、木工関係業界が厳しくなると、既存の設備でできることはないかということを模索し、現在は、紙工、プラスチック加工、粉砕等の様々な分野の刃物を製作・再研磨するようになりました。
このような中でも、特に大府精巧がお客様のお役に立っている分野が「ゴム加工」の分野です。
時々ご紹介させて頂いている「超硬スリッターナイフ」(丸ナイフ)と呼ばれているものをはじめ、
「ゴム切刃」と呼んでいる刃物も、たくさんのお客様にご利用いただき、再研磨もさせていただいております。
極めつけはこちらの製品
超硬の丸棒の先端を「十字」に加工して、ゴム製品に十字の穴をあけるものです。
困っていらっしゃったお客様からのご相談を受け、刃型の調整等、試行錯誤の上、完成したものです。
完全な手加工で手間はかかりますが、お客様には大変ご満足頂いています。
(ちなみに、こちらの十字ポンチ、機械に装着するのではなく、特別に改造したペンチにつけて手加工するもので、その改造ペンチも大府精巧でアイデアを出して納品させて頂きました。)
このように、ゴム加工の刃物に関しましても、これまでご相談を受けて解決してきたノウハウがございますので、お役に立てるかもしれません。
お気軽にご相談ください!
それでは、2月も
即断! 即決! 即実行!
「やるなら 『今』 しかねえ!